平均でウソがつける!
コロっとだまされる平均の話
(2)平均という言葉の魔力
平均値は、計算としては少数点以下まで正確に求まります。それだけに、計算の結果が意味する事実は絶対的なものだと思いがちです。
でも、計算の結果が現実にあうとは限らないというのが数学の世界の常識です。
たとえば・・・・・・
身長170 体重60 胸囲80の人がいたとします。
この3つの値の平均は、
計算上は103.33333333・・・・です。
でも、この103.3は現実には何の意味もありません。
計算結果をうのみにせず、現実にあうかどうか点検することを、数学の世界では
吟味する
と呼んでいます。吟味してみて、現実に意味が無い値は捨てるのです。それが数学の鉄則です。にもかかわらず、吟味せずに計算結果をそのまま絶対的なものと思い込んでいるケースがすごく多いようです。
平均値が意味を持つのは
鉛筆の長さを定規で測ってみましょう。測定値には、必ず誤差が含まれています。真の値はただ一つですが、測り方や、使った定規のくせによって、値がばらつきます。こんな時、平均値が活躍します。
測定値は、真の値を中心に「正規分布」と呼ばれる現われ方をする事が知られています。
真の値
複数回測定し平均をとると、真の値により近くなるというわけです。
あるアマチュア天文家から聞いた話ですが、世界中の天文家が観測した天体の動きのデータを集めて平均を出すと、天文台の大型望遠鏡を上回る精度の高い値がわかるのだそうです。
このように、平均値が意味をもつのは、計算する対象の値が、真の値を中心とする「正規分布」になっていると考えられる場合です。
(C)2009 S Tanaka